今年も「ロータリーふれあい農園」の収穫物を千歳市内のこども食堂へ寄贈させて頂きました。
事業報告
会長 髙木昌人
── 今年度のロータリーふれあい農園事業について、ご協力いただいた大橋様のご紹介と共に活動を報告しました。
こども食堂の現状
こども食堂十彩 代表 尾崎智恵子 様
例会にお招き頂きまして有難うございます。また先日はたくさんのじゃがいもと南瓜を頂き、本当に有難うございます。
私共の十彩は、千歳市で初めてこども食堂として平成29年3月1日に児童デイサービスと一緒にオープンしました。職員の一人がこども食堂をやりたい、前からやりたかったという発案の下、仲間内で開催し手作りで協力してこども食堂をオープン致しました。
いろいろなこども食堂が出来2年ぐらいが経ち、いろいろな問題が上がってきたのは確かです。最初は貧困、個食そうしたお子さん達の居場所という形でオープンしました。実際、道新、ちゃんと、千歳民報にも取り上げて頂きました。その際に来たお母様から言われた言葉は、貧困・個食などと書いてしまうと来ない方がいますというお話がありました。ここに来た人は皆お金に困っている人だ、独りぼっちでご飯を食べている子供だという目で見られるので、あまりそういったことを出さない方がいいというお話を頂きました。
その後、千歳市でフォーラムがあった際にも札幌でこども食堂をされている方が貧困・個食という言葉を出さないで違う方法でやっているという話もありました。
私共は第1・第3土曜日の5時に行っていますが、その5時が初めて食べる食事だと言って来られた方もいます。実際に困っている方もいます。でもそういう方はなかなか来られないのかと思います。
長くやっているといろいろな形で母子の手助けになるのではないかと思います。今は貧困・個食ではなくお母様とお子様の居場所作りという形で行っています。
5時にオープンしてお母様方が帰るのが7時過ぎ。心もお腹もいっぱいになってまた来週きますねと言って、帰られていくご家族が大体です。
如何せん、一軒家の一部分を利用してやっているもので、30人も入ると一杯です。平均25~30人以内のお子さんとお母様がいらっしゃっています。
今の私共の課題としては、資金面があります。寄付金で賄っている部分が大半なので、ロータリークラブさんをはじめ千歳市民の皆さんから温かい寄付を頂いて行っていますが、どうしても不足する部分があり現金が必要です。寄付で賄えない部分を知人や仲間内で出し合いながら行っているのが現状です。
いろいろな形で協力してくださるお母様がいらっしゃいます。札幌からこども食堂に実際に来ているイラストレーターをしている方がイラストを作ってくださって、ポロシャツ、コースター、ボールペンなどを作って販売し寄付をいただいた方に還元しています。
開設当初、沢山の方に知って頂きたい、来て頂きたいとパンフレットを千歳市内に置いて頂き、新聞に取り上げて頂きました。
ビュッフェスタイルにした理由は、飽食の時代で廃棄するものもあるという風潮を羽化が経ってので、敢えてビュッフェスタイルにして自分の食べる量を分かって食べてもらうという形をとっています。
開設当初は沢山の方が見学に来ました。次の一歩を踏み出せないで困っているのが現状でした。
最初に私達がこども食堂をやるにあたって、千歳市に一石を投じて波紋を広げたい。その波紋が広がってこども食堂が広がっていけば良いと思いオープンし今も行っています。大人だけでも見学という事であればどんどん来て、体験、体感して頂いて、そして自分達も何か協力して頂くという形で行っていますので、皆さんもいつでもご見学にいらして頂いて作っているところを堪能して頂ければと思います。
十彩の現状はこのようになっています。
こども食堂スキップ 代表 島津静香 様
本日はお招き頂き有難うございます。また先日、皆さんが大切に育て収穫されたじゃがいもと南瓜を沢山頂き有難うございました。早速、モンブラン、コロッケ、じゃがいもの煮物を2回に亘って子供達に提供させて頂きました。どちらも子供が大好きな食材ですので、スタッフにとっても子供達にとっても嬉しいプレゼントとなりました。
私共のこども食堂の活動概要を説明致します。開催頻度は通常開催が月2回。場所は総合福祉センターをお借りして行っています。今月からチャレンジ塾という千歳市で行っている困窮世帯向けの中高生に向けた塾、そちらの子供達への支援を開始致します。
当初スタート時は定員30名で始めましたが、徐々に増えていき現在、およそ100食は毎回作るような現状です。スタッフは調理4名、他7名。調理は出来るだけ季節の食材や土地の物、他の地域の郷土料理など食を通していろいろな経験をしてもらいたいという思いを込めて調理をしています。他7名とは、送迎や絵本の読み聞かせ、参加型の人形劇などをしてくれる、小さい子の面倒をみてくれるスタッフです。
そもそもこども食堂とはと、基本に立ち返ってこども食堂を皆さんにご理解頂きたいという思いがありますので、ご説明させて頂きます。 現在全国でも参加の基準を設けず行っているこども食堂が大半です。お母さんや特に生活に困っていない家族が来る家庭も沢山あります。なぜ誰でもOKにしているのかというと事情があります。信号に例えてみました。こどもの状況や家庭環境、親の育児ストレスや虐待などに関する信号だと思ってください。青信号は問題の無い一般的な家庭。赤信号は早急に第三者の介入が必要であるケース。私達が対象としたい本来来て欲しい子供達は黄色信号の子供達です。こども食堂に通うという行為が偏見を生んだり、差別を生んだりと成りかねません。本当に困っている家庭ほど参加がしにくくなる、そういった状況があります。黄色信号の人たちが青信号の顔で参加出来る、そのためにも明るく楽しく過ごせる青信号の人達、そこに隠れた黄色信号の人達。出来るだけコミュニケーションを取って、何か出来る事があれば橋渡しが出来ればいいなと思い取り組んでいます。 |
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こうした理解を深めて頂く事が、結果的に本当に必要とする子供達に届くきっかけになるのかと思っております。
当初、想定していたより物もお金も掛かります。資金面での支援をいろいろな方にお願いしていて、更に支援を必要としているのは事実です。
こども食堂をやりたいと見学にたくさん見えましたが、そこから実際に立ち上がったのは千歳市では1件もありません。こども食堂という言葉をもっと自由に、定期開催していなくても、団体を立ち上げて定期的に行っていなくても、こどもがいてご飯があれば、それがこども食堂なのではないかと私は思っています。
今年夏休みに町内会にお願いしてラジオ体操の後に、朝ごはんを食べるという取り組みをしました。初めは町内会も乗り気ではなかったのですが、やってみると青少年事業の参加率が上がりました。そういうのを見て来年度以降は継続事業に決まりました。
今年度はスキップで費用も人も負担しましたが、町内会の加入率減少などに直接的な効果は無くても少し効き目がある事はやってみようとお互いメリットがある事です。これもこども食堂ではないかと思います。
そういった活動に取り組んでいきたいと思います。
基本的には、私一人で運営を行っていこうと思います。スタッフをお願いしない理由は、企業の皆さんなどいろいろな人が関わって取り組んでいきたいと思います。皆さんでお互い協力出来る事はいろいろな所が繋がって、こどもの環境を作っていければと思っています。
支援をお願いしたい気持ちも勿論ありますが、身近な所でそういう動きがあった時に、お金もそうですが自分で出来る手伝いがあったらして頂く、参加してみるという支援をお願いしたいと思いお話させて頂きました。
こども食堂REST 代表 伏木千幸 様
皆さんに収穫していただいたじゃがいもはガレットにしました。
ご飯とメインは千歳市のご協力で市場にも入れるようになり魚・肉を週ごとに交互にしています。サブメニューとサラダとスープです。寄付を頂けば果物が付きます。南瓜
は、スープとかぼちゃもちにしました。子供達はとっても喜んでくれました。皆さん収穫ご苦労様でした。
嶋津さんがおっしゃった黄色ゾーンのご家族も来て頂いていて、家族全員で大盛ご飯を食べていました。そうやって食べてくれる事がとても嬉しいと思いました。
犬や猫と触れ合えるのが特徴で、ボランティアの方が自分の犬や猫を連れてきて触れることを教えて頂いています。ふれあうことで子供達も幸せな気持ちになってもらえればと思い取り組みをしています。
今の問題点はということで、先日老人の方がご夫婦で来られました。ご夫婦は金銭的に300円で食べたいと思われたのかもしれませんが、町内会長さんから聞いてこられたそうです。こども食堂なのでとお断りをしましたが、町内会長さんもこども食堂がどんなものか理解されていないのだと思いました。
知名度も問題ですが、町内会など他の方が関わって、もう少し広めていったほうがいいのかなと感じています。
もう一つの問題点は、学校帰りに子供達は来ますが、お母さんが迎えに行けないので、子供を一人で帰してと言われる事です。迎えに来てくださる事がわかっているので7時までお預かりしていますが、一人で帰して良いのかそれが今は悩み所です。
お母さんがワイワイとして週に1回でも来ることが幸せと思ってくれる事が私にとってはやりがいだと思ってやっています。
千歳市担当者
千歳市こども福祉部こども家庭課
課長 藤木健一郎 様
本日はお招き頂き有難うございます。また皆様方には日頃から市政全般にわたりご協力ご理解頂いておりますことを改めて感謝申し上げます。
簡単に市のこども食堂への取り組みについて、ご説明させて頂きます。
こども食堂という言葉が使われたのは平成24年8月、東京都大田区にある青果店が第1号と言われています。そこから全国にこども食堂が広がりNPO法人全国こども食堂支援センターの調査で、平成28年には全国319ヶ所でこども食堂が行われていました。令和元年6月調査で、全国3718か所が実施されています。わずか3年の間に12倍に増えています。
最近では、貧困の子供だけでなく地域全ての子供達、大人も参加出来るこども食堂が主流になってきています。千歳市の3ヶ所のこども食堂さんも同様のタイプではないかと思います。
市の取り組みですが、市では平成29年度にこども食堂担当窓口がこども家庭課という事で事業として展開するようになりました。現在はこども食堂応援事業という名称で推進しております。具体的な取り組みは大きく4つあります。
1点目は、こども食堂に関する周知、啓発活動を行っております。例えば市の広報誌やHPへの掲載、それぞれが作られているチラシの配布、マスコミへの紹介、市民からの問い合わせに対する対応を行っています。
2点目は、こども食堂フォーラム、ネットワーク会議を立ち上げ、研修会等を実施しています。平成29年に第1回フォーラムを開催し、昨年度はセミナーとして食育に関する大学の先生を講師として講演会を行いました。今年も今月27日に、「こども食堂フォーラムinちとせ」を開催する予定です。是非皆さんご参加頂ければと思います。
3点目として、こども食堂開催場所の提供です。今後、新たにこども食堂を開設したいという方が、場所がないというご相談が考えられるので、市としては例えば市町連さんと連携して町内会館やコミュニティセンターの活用、公共施設の利用についても調整させて頂ければと思っています。
4点目は、寄付についてです。こども食堂に関して、企業や個人など様々な形で寄付の申し出がございます。市としましては仲介させて頂いて、市内こども食堂に分配させて頂いております。最近の事例としては、昨年度から継続的に道央農業組合様から毎月お米を10㎏ずつ市内3つのこども食堂に寄付を頂いております。その他、市の公設卸売市場を介して苫小牧中央青果様から安価に食料品をご提供頂いています。市内でフードバンク“もったいないわ千歳”様とも連携して、食料品を頂き、千正寺さんと連携してお菓子などお供え物が大量に余った時に分けて頂くなど連携した取り組みをしています。
私共市としましては、今後も地元のこども食堂の発展のために、余り出しゃばらずに、こども食堂運営者の方々の自主性を尊重しながら側面から支援して参りたいと考えております。これからもご支援ご協力の程宜しくお願い致します。
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