SAA 笹谷俊尚 委員長
本日は菊池ガバナー補佐から「ポリオについて」という題材で卓話をしていただきます。 菊池ガバナー補佐のご紹介をさせていただきます。 ご職業は札幌八幡宮の宮司でございます。ロータリー歴は数多くお持ちですが、1994年に北広島ロータリークラブに入会され今年で20年目となっています。1998-99年度、2006-07年度、2011-12年度と3回会長を務められています。現在、第7グループのガバナー補佐を務めていらっしゃいます。別の活動ということで、北広島コミュニティFMで番組を担当されたことがあるそうです。また本も執筆されていて「菊池宮司のいい話」という本で中西出版から出版されています。それでは、菊池重敏様宜しくお願いします。(例会担当委員会 SAA)

第7グループ ガバナー補佐 菊池重敏 様
只今ご紹介いただきましたが、ロータリー歴は20年なのだと自分で顧みました。千歳セントラルロータリークラブさんにはガバナー補佐になって3回目の訪問になります。前回はガバナー公式訪問で7月29日でした。もうあれから2か月半ぐらい経ってあっという間という感じです。明日は恵庭RCさんのガバナー公式訪問です。明日が終わればほぼ公式訪問が終わります。最後に残っているのは北広島RCですが、自分のクラブがですからあまり緊張しません。
まず明日が終われば私のガバナー補佐としての仕事は一段落つくと考えています。

今日はガバナー補佐として話をして欲しいということを伺いさてどんな話をしたらよいかと思いました。ガバナー補佐としての立場ですから菊池宮司のいい話をするわけにはいきませんので、考えた結果ポリオの事が一番よいかと思いますのでお話いたします。
ポリオは一般的に小児麻痺と認識されていますが、5歳未満の小児に罹る病気と言われています。例えば200人感染者がいるとその内の1人に麻痺が起きてしまいます。その麻痺が起きると生涯その麻痺が続くと言われています。またその200人から1人の麻痺が起きた中において5~10%の方は呼吸器が機能しない状況となって死してしまうということで大変危険な病気と言われています。このポリオは治療方法が無いということで予防のみが可能です。ポリオワクチンの複数回の接種が小児の命を守ります。このワクチンは1回すれば良いのではなくWHOでは3回接種の方針を出しています。というのは、ポリオは1型、2型、3型の三種類があり1回目のワクチンで1型、2型の免疫が、2回目のワクチンで1型、3型の免疫が出来て90%ぐらいの免疫が出来るのですが、まだ足りないところがあるので3回することで完全に免疫ができます。ですから、ポリオワクチンは1回で良いのかと思っていましたが2回から3回しなければ効果はなく撲滅までは大変な事だと考えさせられます。
日本ではポリオは忘れられた状況になっています。日本では現在撲滅されています。2000年に根絶したということでWHOに申請しています。1960年に日本では6,500人ポリオ発症者がいました。3年後に100人以下に減り1981年以降、日本では発症がみられず2000年に根絶をしました。1960年に日本製のワクチンが開発され、それを定期接種しましたがあまり効果が無かったそうです。WHOがポリオ根絶の世界戦略を打ち立てその協力を得て日本は強力なワクチンを輸入して効果を表しました。
1998年に世界で125か国、年間35万人の発症がありました。2009年に約1600発症例まで下がってきました。そして2010年には1349例、2011年は650例、2012年には53例まで発症者が減りました。この53例をなかなか減らすことが出来ませんでした。政治的・社会的な事情から子供達への予防接種が困難であったという のが一つの原因です。2012年にポリオの常在国としてナイジェリア、パキスタン、アフガニスタンの3つの国だけがあります。2012年に53例にまで減っていたのですが、最近の報告ではまた増えだして今、ポリオを根絶しないと永遠に根絶は難しいのではないかと言われています。そうした中ロータリーは1979年にフィリピンで600万人の小児にワクチンを投与したのが世界で初めての活動でした。その6年後、1985年にポリオプラス計画を発表しポリオ撲滅に取り組んできました。1988年にWHOが総会において2000年までにポリオを根絶しようという決議を採択します。そこで各国のセレブ、国際ロータリー、米国の疾病予防管理センター、ユニセフなどが主導しまして撲滅に対しての世界的な展開が始まりました。しかし、その展開が始まるもっ と以前にロータリーはワクチンを投与していたということで先駆けを行っていました。そういう形でロータリーの活動が世界的に効果を認められ、根絶を世界にもということで組織が広まり今日広まっている訳です。
2011年にフランス・ドーヴィルで開催されたG8サミットの席上、参加国の首脳からポリオ撲滅の実現に対する唯一最大の懸念は、予算不足と現状の理解がされていないという声明がされました。2010年当時の予算不足は6億6500万ドルでした。それに対してロータリーは2億ドルの寄付をしようと提唱しました。2009年から2012年までの3年間に世界のロータリアンで2億ドルを寄付しました。そうしたロータリーの総力によって寄付の目標が達成されました。この時2010年にポリオは撲滅したという考えが発生したと思います。ですから今回またポリオの寄付行為が出た時に、もうポリオは終わったのではないかと何人の方から聞きました。短期間に寄付を集めたということが撲滅をしたという誤解をされたようにも思います。2012年、3国だけがポリオの常在国ですが、10年以内に根絶させることが出来なければ、今後毎年20万人の新規患者が発生すると言われています。ですから、99%まで撲滅しましたが最後の1%を今やらなければなりません。
2013年6月、アラブ首長国連邦アブダビにおいて国連事務総長がビル&メリンダ・ゲイツ財団の協力を得てポリオ撲滅の世界ワクチンサミットを行い、300名の方が出席されました。この時、田中作次RI会長が、2013-2014年度に各クラブ毎年1500ドルを協力しましょうという世界的な提案をし、各地区は毎年DDFの20%を寄付しましょうということで2014年~2018年までの6年間の計画を策定しています。
今回、各クラブ1500ドルという要望はそういった流れからきています。今我々できることは1500ドルの寄付、世界のロータリアンが寄付する事で根絶に近づいていると思います。ビル&メリンダ・ゲイツ財団はロータリーの寄付額の3倍を寄付しましょうと言ってくれています。ですからロータリーが2億ドル寄付するとゲイツ財団は6億ドル寄付してくれます。こうしたゲイツ財団がポリオ撲滅に対して協力してくれるということですので、我々も1500ドル寄付するとその3倍が 寄付されることが約束されていますので、我々のお金も非常に大きな力を発揮するのではないかと思います。

今日は浅い勉強で申し訳ありませんがポリオについてお話しました。ご静聴有難うございました。