プログラム委員会 委員長 髙木昌人
初めて例会を担当する事になり非常に緊張しております。本日は千歳市長 山口幸太郎様をお招きし、卓話を頂戴したいと思っております。ご略歴は皆さんにお配りしている資料の通りです。現在千歳市長として3期目に入りまして、平成23年度から10カ年にわたる千歳市第6期総合計画中ということで益々のご活躍中です。山口市長は千歳ロータリークラブの名誉会員であり我々と同じロータリアンとして本日お越し下さいました。後段、質疑応答の時間を頂戴しております。折角の機会ですから皆さん率先してご意見ご質問等していただければと思います。それでは宜しくお願いします


千歳市長 山口幸太郎 様

第6期総合計画を中心に話をさせて頂きたいと思います。 念頭に一年一字ということで今年は「躍」という字を書きました。昨年は「翔」でした。一年間、私の思いは常に前に行こう、前に進もうという事を表す言葉にしたいと思い合言葉にしています。 第6期総合計画は簡単に言いますと柱は二つです。人口をどうやって増やすかという事と、その発展を支えるお金をどうするかという事です。一つは定住促進ということで人口を増やす政策をこれから進めます。財政は平成17年から財政健全化をやりまして皆さんのおかげで改善をしました。一度縮小した財政規模を標準化しようとご理解いただいているのが財政の標準化計画です。総合計画のポイントが4つありました。その中で一つは問題になっている人口減少社会をどうしようかということです。人口が減っていく事を前提にしてどうするか考える事を第6期総合計画に位置付けました。
二番目に市街地を抑制する。新しい宅地開発は2箇所ほどありますが、それを最後にして向こう10年間、平成32年まで増やさない計画にしています。コンパクトシティーと言う考え方がありますが、出来るだけ街中に機能を集約して市民生活がしやすい形にしようと市街地を抑制します。これを敢えて申し上げるのは、これに携わる業界の方がこういう事を睨んで戦略を立てなければなりません。市民の方も、やがては新しい家を建てたいと思っている方はまだいい所が出てくるのではということになりますので、これ以上開発はしませんというメッセージ を出すことで、自分の人生設計や住宅設計がしやすくなります。ただ街中には空地、空き家がありますので人口が1万~1.5万人増えてもそれを受けるだけの保有地はあります。これは心配ありません。おかげさまで企業誘致が進んでいますが、企業誘致に関してはこの制約はかけていません。もし大規模な企業が進出するようなことになればその時は柔軟に対応します。
三つ目は私が市長に就任してからお願いしている市民協働のまちづくりです。一言で言うと市民総ぐるみでまちづくりをしましょう。かつてのように行政がまちづくりの主役ではありません。市民の皆さん方のマンパワーや知恵をお借りしてみんなでまちづくりをしましょうという事をコンセプトにしています。 四つ目は自衛隊との共存共栄です。今更と思うかもしれませんが、総合計画に位置付けしたのは今回が初めてです。位置付けをする事で自衛隊の体制維持にかかる運動もオフィシャル(公式)行事として進める事が出来ました。かつて千歳も自衛隊の存在を巡ってイデオロギーが対立した時期がありました。議会はこの問題が出るといつも喧々諤々となって荒れたという状況もありました。今回は敢えて総合計画に位置付けをしました。

── この他人口減少の問題と対策、観光の経済効果について最新のデータをもとにご説明いただきました。

千歳市は定住人口と交流人口の両面にわたって対応しています。定住人口は3年も前から取り組んでおり、庁内に各部から若手を集めてタスクフォースと言うチームを作り、定住人口を確保するために一年間議論をさせて5つの提言をもらいました。この提言をもとに庁内に副市長を座長とするプロジェクトチームを作り、この提言を具体的にどうしようかと構想を作り、計画を作り、その下に事業をはりつける作業をやっています。
そして、観光は新しくスポーツ観光部を作りました。観光で経済効果を含めてどれだけ千歳の観光をネットワーク出来るか今やらせています。スポーツ部を付けたのは、7年後の東京オリンピックに向けて北海道内、サッカーが中心となりますが合宿を誘致できないだろうかという市民要望がたくさん上がってきています。まだ結論は出していませんが、市長の私が言うと影響が大きいかもしれませんが、かなりハードルが高いです。何故かと言うと、国際レベルのスポーツ合宿になるとナイター施設やフォーメーションを非公開にするため報道をシャットアウト出来るような施設にしなければなりません。千歳にあるようなオープン型の施設では対応できません。大変レベルの高い課題ではありますが、誘致が出来なくても何らかの形で援助できないかと研究をさせている状況です。
時間が無くなってきましたので、またお話は次回ということにさせていただきます。
定住人口、観光人口を含めていろいろと事業を展開させていただいております。その一つ一つに市民の皆さんから賛否を含めて意見もあろうかと思います。市長へのポストでも聞いておりますし、議会でも議論になっており知らないわけではありません。市民の皆さんの声を大事にしながら進めていこうと思っています。
大きな事業についてはパブリックコメントと言って、最終的にこの案でやりますという事を市民の皆さんに公開して意見をもらう手続きを踏もうと思っています。市民の方々はそういう場面ではなかなか意見を出せないだろうという事もわかっていますので、何かの機会には意見を聞かせていただきたいと思います。
今後ともロータリークラブの皆さんと一緒になって進めていきたいと思います。