嶋田 忠 先生
1949 年 埼玉県で8 代続く農家に生まれる。武蔵野の自然の中で野鳥と共に過ごす。
日本大学農獣医学部卒業後、動物雑誌「アニマ」(平凡社)創刊に参加。以後、野鳥を中心に独自の世界を開拓。
1980 年 北海道千歳市へ移住。
1993 年より7年間、テレビ朝日・ニュースステーション特集「嶋田忠の野性の瞬間」シリーズのため、海外で映像作品を制作。
2000 年より、NHK の自然番組をハイビジョン映像にて制作。最近はバシリスクや極楽鳥など、熱帯雨林の生物をデジタルカメラで撮影している。
太陽賞、日本写真協会新人賞ほか写真作品、映像作品で受賞多数。
http://www.nhk.or.jp/wildlife/program/p012.html
── 12月第1例会は、千歳在住の動物写真家 嶋田 忠先生を講師に、「ふるさと 千歳」として、行われました。
 子供のころから、雪がある所に住みたいと思っていました。
30年前の話ですが、ずっと「カワセミ」を追い続けていましたが、「アカショウビン」を題材にしたく、札幌を基点に拠点探しました。
しかしなかなか決まらずに、あきらめて東京に帰る途中、支笏湖に寄りました。「ふ化場」の看板を見て、そちらに向かうと、「アカショウビン」はもちろんの事、「ヤマセミ」、「カワセミ」がいてもおかしくない「ウサクマイ橋」付近にたどり着き、そこでヤマセミが出迎えてくれました。
ここ千歳川のそばに住む事を即決しました。
 千歳は、海外や本州、道東と比較しても自然のすばらしさが素晴らしいのです。
人口おおよそ10万人、国際空港が位置するような都市でありながら車で10分も行くと原生林が広がり、清らかな川が流れ、時にはエゾ熊と遭遇することもあります。僕は、世界中、いろんな所に行きましたが、千歳のようなすばらしい所を見たことがありません。
本州の人、増して北海道に暮らす人でさえ、道東の自然が一番のように言いますが、千歳は生物圏が広く、鳥も植物も数が多く、特に川沿いに巨木が残っているので、鳥が集まる素晴らしい土地です。
 欧米の人に「どうして日本には、エコロッジが無いのか」といつもたずねらます。海外では、長期滞在の出来る宿泊施設が、たとえば、ジャングルや大自然の中にあります。そこを基点に鳥を見たりし自然を満喫します。そして常駐するガイドのツアーもいます。
ビジネスの観点からも素晴らしい自然環境には、「エコロッジ」が必要です。そして、何よりそれがビジネスとして繁盛しています。
千歳空港は多くの観光客が利用しています。近年は外国人の利用が増加し、冬にはニセコにスキーツアーの外国人が訪れています。
しかし、観光目的に千歳に滞在する人々は僅かな数字となります。
素晴らしい千歳の自然を観光資源として活用することを、地元の方々は認識されるべきです。その折には、僕も尽力させて頂きます。
また、ガイドは、時には子供達のツアーをしたり、学校に出向いて出前講座を開設したり地域活動を行うなど、地域貢献にもつながります。
── その他、自然環境の変化、海外活動での逸話など、多岐にわたりお話頂きました。